更新日時 : 2022年10月31日
中央事務所に過払い金請求を依頼した後の手続きの流れと期間
テレビCMでもおなじみの司法書士法人中央事務所は、過払い金請求で有名な司法書士事務所です。このCMを見て過払い金のことを知った方も多いことから、毎月数百〜数千名が相談・依頼をしています。
中央事務所に依頼すると過払い金を取り戻せるイメージはありますが、実際にどのような流れで過払い金を取り戻すかについてはイメージしにくく、不安に思っている方もいらっしゃるはずです。
ここでは中央事務所に過払い金請求を依頼した場合の手続きの流れやどのくらいの期間がかかるかについて詳しく解説していきます。
過払い金が返還されるまでの流れとかかる期間
過払い金請求の手続きにおいて、過払い金が戻ってくるまでの流れや期間については以下の2つのパターンで異なります。
- 和解による返還の場合
- 裁判(訴訟)による返還の場合
それぞれのパターンで手続きの流れとかかる期間について詳しく解説していきます。
和解による返還の場合貸金業者との話し合いによって過払い金を取り戻す方法で、とにかく早く過払い金を取り戻したい方におすすめです。しかし、貸金業者はなるべく返金額を少なくしようとあらゆる理由をつけて交渉に臨んできますので、過払い金を満額取り戻すことは難しく、ある程度の金額以上は支払わない姿勢をとられることが多いです。
交渉をしても平行線になることも多々あるため、なんとしてでも過払い金を満額取り戻したい方は、次の「裁判(訴訟)による返還」方法をとることをおすすめします。
和解による返還の場合、お問い合わせから依頼、返還までの流れは以下の通りです。
問い合わせをして依頼をする
受任通知を発送し、取引履歴を取り寄せる
引き直し計算をおこなう
過払い金返還請求書を発送する
貸金業者と直接交渉する
和解合意書を締結する
過払い金が返還される
問い合わせをして依頼をする
中央事務所のHPからメール、または電話(0120101010)で過払い金が発生しているのか、また発生しているとしたらいくらくらい発生しているのかを問い合わせます。電話での診断は5分程度で終わりますが、手続きについて詳細を聞きたい場合や司法書士に直接過払い金の相談したい場合は、面談の予約をとります。面談は30分〜60分程度であることが多いですが、特に時間が決められているわけではなく、また料金も一切かかりません。(また、2021年1月現在新型コロナウイルス対策としてweb面談もおこなっています。)
無料相談では、過払い金請求についてのメリットやリスクが発生する場合の説明のあと、借金を返済中であれば減額したい、利息をなくしたいなどの相談をすることもできます。
すべての疑問を解消した後、依頼するかどうか検討します。その場で依頼することもできますが、一度持ち帰って検討する、他社と比較したいなどの理由でその場で依頼しない人も多く、相談したからといって必ず依頼しなければいけないわけではありません。依頼する場合は、契約書を結びます。ここでは印鑑が必要ですが、持ち合わせていない場合は後日郵送でも対応可能です。
ただし、過払い金には時効があるため過払い金が発生していた場合には早めに手続きをすることをおすすめします。
受任通知書を発送し、取引履歴を取り寄せる
依頼を受けた中央事務所は、貸金業者に対して「受任通知書」を送ります。受任通知書には「債務者(過払い金請求の依頼者)から債務整理の手続きを受任した」旨が記載されており、これを受け取った貸金業者は債務者に対して直接の取り立てができなくなります。(貸金業法第21条第1項及び債権管理回収業に関する特別措置法第18条第8項)
同時に取引履歴の開示請求もおこないます。取引履歴には借入日や利息、返済日や返済額などすべての履歴が記載されています。
- <かかる時間>
- 受任通知書の発送:依頼日または翌日
取引履歴を取り寄せる:1週間〜1ヶ月程度
引き直し計算をおこなう
取引履歴を元に法定利息(利息制限法)の範囲内で利息が設定されているか、利息を払いすぎていないかを計算します。(引き直し計算)払いすぎていた利息(過払い金)がある場合にはいくらくらい発生しているのかを計算し、過払い金請求する額を算出します。
- <かかる時間>
- 引き直し計算:取引履歴が届いて即日〜1週間以内
過払い金返還請求書を発送する
請求する過払い金額が決定したら過払い金返還請求書を作成し、貸金業者に発送します。過払い金返還請求書には引き直し計算で算出した過払い金額や振込み期日や振込み先などを記載します。
この書面を発送することですぐに対応し、振り込んでくれる貸金業者はほぼなく、ここから直接の交渉をもって返還を求めていきます。
過払い金返還請求書を送ることが一般的ですが、交渉に対応してくれないことが明らかな場合や回収金額が見込めない場合は請求書を送らずに裁判(訴訟)を起こしてしまうこともあります。
- <かかる時間>
- 過払い金額が算出されたら即日
貸金業者と直接交渉する
過払い金返還請求書を発送後、貸金業者に直接(電話が一般的)交渉します。多くの貸金業者では、過払い金請求の受付担当者は返還対応する割合が決まっており、それ以上の返還対応には応じてくれません。
返還対応する割合は貸金業者によって異なりますが、多くても6割〜7割程度とされています。ただし、個人で交渉をおこなった場合は多くても5割程度となるため、中央事務所に依頼した方が多くの過払い金を取り戻すことができます。
- <かかる時間>
- 1ヶ月〜3ヶ月程度
和解合意書を締結する
直接交渉で納得のいく過払い金額の返還に貸金業者が応じてくれる場合は、和解合意書を結びます。とにかく早く過払い金を取り戻したい、満額ではないものの貸金業者から提示された金額に納得した場合に、書面をもって過払い金請求が終わります。和解合意書には、貸金業者が支払う過払い金額や支払い期日などが記載されています。
- <かかる時間>
- 1ヶ月〜3ヶ月程度
過払い金が返還される
指定された口座に、事務所手数料を引いた金額が中央事務所から振り込まれます。
- <かかる時間>
- 和解合意書が締結されてから2~4カ月後
裁判(訴訟)による返還の場合
貸金業者との話し合いが平行線になってしまい、思っている過払い金額を取り戻せない場合に、裁判(訴訟)を起こし判決をもって過払い金を取り戻す方法です。
必要書類の準備や、裁判所に出廷する必要があるため手間や時間がかかりますが、和解するよりも多くの過払い金が取り戻せます。特に満額の過払い金を取り戻したい場合は、裁判を起こす必要があります。
裁判(訴訟)は自分で手続きをすることも可能ですが、時間や手間が多くかかり、また専門知識がない場合に不利な結果になってしまうこともあります。
過払い金請求の裁判(訴訟)は司法書士や弁護士などの専門家に依頼することをおすすめします。
裁判(訴訟)による返還の場合、お問い合わせから依頼、返還までの流れは以下の通りです。
- 問い合わせをして依頼をする
- 受任通知を発送し、取り立てや返済が止まる
- 引き直し計算をおこなう
- 過払い金返還請求書を発送する
- 金融機関と直接交渉する
- 裁判所に訴訟する
- 第1回〜2回の口頭弁論会がおこなわれる
- 和解または判決にて合意書を締結する
- 過払い金が返還される
1〜5までの手続きは上記に記載の「和解による返還の場合」と同じような流れでおこないます。金融機関との交渉が進まない場合に裁判所に訴訟を提起します。
裁判所に訴訟する
交渉によって話が進まない場合は裁判所に訴訟を提起します。裁判を起こす場合、必要書類がいくつも必要で、平日に裁判所へ出廷しなければいけませんが、中央事務所が全て代行しますので、特にやることはありません。
- <かかる時間>
- 〜1ヶ月程度
第1回〜2回の口頭弁論会がおこなわれる
訴訟を提訴すると第1回の口頭弁論会の日程が提示されますが、第1回は答弁書を出せばよく、出廷の義務はありません。第2回の口頭弁論会からは本格的な争いになります。
ほとんどの場合は2回の口頭弁論会で終わりますが、たまに3回、4回と続く場合もあります。口頭弁論会では依頼者の出廷することがほとんどなく、司法書士が代行しておこなうことができます。
- <かかる時間>
- 1カ月〜12ヶ月
和解または判決にて合意書を締結する
口頭弁論会中にも貸金業者は和解の提案をしてきます。この和解の提案は、和解交渉していた金額よりもさらに上乗せされているため、ここで和解することもあります。和解しなかった場合は、裁判所の判決をもって過払い金額が決定します。
より多くの過払い金を取り戻したい場合は、和解交渉ではなく判決をもって取り戻す方が良いです。和解交渉された場合は随時連絡を入れますが、ほとんどの方は「より多くの過払い金を取り戻せることができるならなんでもいい」などと一任してくださるご依頼者様も多くいらっしゃいます。
過払い金が返還される
取り戻した過払い金は中央事務所に振り込まれます。手数料が引かれた金額を指定した口座に振り込みます。振り込みをもって過払い金請求の手続きが完了になります。
- <かかる時間>
- 合意書が締結されてから3〜4カ月程度
過払い金請求があるか実際に中央事務所に電話してみた
中央事務所の無料相談ではどのような流れでおこなうのか、強い勧誘はされないのか、過去の借金に過払い金はあるのか実際に電話して相談してみました。
- <電話した人>
- アコム・プロミス・三菱UFJ銀行から借り入れ中。現在の残高は3社合計で110万円程度。
フリーダイヤル(0120101010)にかけると1コールでつながり、いくつかの質問があってから過払い金の有無を教えてくれました。さらに、過払い金が発生しているとわかった場合は司法書士による無料相談ができるため、日程の予約をとるといった流れでした。全体で話した時間は13分程度、通話料は無料でした。
中央事務所からの質問事項
過払い金があるのか診断するために、聞かれた質問事項は以下の通りです。
- 借り入れ会社(貸金業社)名
- 返済中か完済しているか
- 返済中の場合は残高はいくらか
- 毎月の返済額
- 何年前から利用しているか
正確な情報であることが望ましいですが、多少曖昧でも診断はおこなってくれます。特に何年前から利用しているか正確な年月を覚えている人は少なく、例えば「10年は経っている」「5年前だった気がする」「7.8年前くらい」などざっくりとした曖昧な期間でも診断してくれます。
診断するための質問の他に、以下のような個人情報や口頭アンケートもありました。
- 名前
- 生年月日
- 郵便番号
- 何をみて知ったか
- 他社の専門家に手続きを依頼していないか
過払い金診断と専門家との面談は無料
過払い金が発生しているのか、していないのかについては電話もしくはメールでも診断してくれます。過払い金が発生していた場合には、いくらくらい発生しているのかの目安金額は教えてくれますが、正確な金額は貸金業者に取引履歴を取り寄せない限り算出できません。これは中央事務所に限らず、どこの事務所でも算出することができません。
過払い金が発生しているかの有無、発生しているとしたらいくらくらい発生しているのか、取り戻すとしたらどんな流れでどのくらいの期間がかかるのか、過払い金が発生していないけれども今の借金の返済が厳しいのでなんとかしたい、などを司法書士に無料で相談することができます。司法書士や弁護士などの専門家への相談料は一般的に30〜60分で5000円程度と言われていますが、中央事務所の場合は相談料は無料でした。
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借りた金融機関がわからなくても調べることができる
複数の金融機関から借り入れをしていて全ての金融機関がわからない、すごく昔に借り入れをしたのでどこから借り入れをしたのか忘れてしまったなど、借り入れをした金融機関がわからなくても、過払い金が発生しているか、していないかの診断を受けることができます。
過払い金が発生している可能性があり、返還請求を行いたい場合は信用情報機関に問い合わせることで借り入れをした金融機関を特定することができ、過払い金も取り戻すことができます。
面談をするように勧められたが強い勧誘はなかった
無料診断のあとに司法書士との面談予約を薦められます。もう少し考えたい場合や特に相談することがない場合に面談の予約を断った際に、強い勧誘がくるかと思いきや「ではまた何かあればご連絡ください」とあっさり終わりました。強い勧誘で電話をなかなか切らせてくれないことはなく、面談予約がなければ5分以内で電話は終わります。
しかし、借金の困っていたり過払い金が発生している場合は一度専門家と面談をして相談してみることをお勧めします。専門家に相談した場合も、必ず依頼しなければいけないわけではありません。解決策のアドバイスをもらえるはずですから、気軽に相談に行ってみるのも良いでしょう。
相談後の営業電話が一度だけあった
後日、再度連絡がきましたが、面談はしない旨を伝えるとそれ以降の連絡はかかってきません。「少し考えてみる」「他と比べてみる」など迷っている意向を示して無料診断を終えた場合は、再度折り返しの電話がかかってきます。
この電話は嫌な場合は、「こちらから電話するのでかけてこないでほしい」と伝えると折り返しの連絡がくることはないでしょう。
過払い金請求を自分で行う場合も流れは同じ
基本的に手続きの流れは同じですが、書類の取り寄せ、作成、貸金業者とのやりとりや交渉、裁判になった場合は追加の書類作成や裁判所への出廷など、多くの手間や時間がかかります。
また、金融のプロである貸金業者との交渉にはある程度の専門知識がないと交渉を有利に進めることができず、その結果、過払い金を満額取り戻すことができないことも考えられます。
それでも、専門家に依頼すると費用がかかると気にしている方も多くいらっしゃいますが、返済すべき借金額よりも多くの費用が発生することはありません。また、万が一過払い金が発生していなかった場合、費用は発生しません。
過払い金請求の手続きは自分でおこなうことができますが、手続きにかかる時間や手間、多くの過払い金を取り戻せるか、さらにかかる費用も加味すると専門家に依頼した方がよいといえるでしょう。実際にどのくらいの過払い金が発生していて費用はどのくらいでどのくらいのお金が手元に戻るのか、またさらに具体的な流れについても無料相談で確認することができます。
相談したからといって依頼しなければいけないわけではなく、相談だけの人も多いようですから、まずは一度専門家に相談してみることをおすすめします。
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